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不登校なるほどコラム

不登校とは​

 

「不登校」というと一般に、病気や家庭の経済状況が理由ではなく、学校に行きたくないまたは行きたくても辛くていけないといった理由で学校に行かない子どものことを指しています。 文部科学省では「不登校」のことを

不登校とは,「何らかの心理的,情緒的,身体的,あるいは社会的要因・背景により,児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況にあること(ただし,病気や経済的な理由によるものを除く)」をいう。 なお,不登校については,従来,学校基本調査において,30日以上欠席した児童生徒について,その理由別区分として,「病気」,「経済的理由」,「学校ぎらい」,「その他」として調査していたところ,近年,「不登校」という名称が一般的に使用されるようになったことに鑑み,平成10年度の調査から,上記区分のうち,「学校ぎらい」を「不登校」に名称変更した。(文部科学省ホームページより)

という風に捉えています。義務教育期間である小学校・中学校に通っていない子どもたちのことを指しているので、高校に通っていない子どもたちは文科省の定義には含まれていません。文部科学省の統計によると、2018年度の全国の「不登校」の子どもたちは約13万人とされていて、前の年よりも増えています。その内の約2万4千人が小学生、10万5千人が中学生です。同じ年に長野県では不登校の子どもが2,137人いたとされています。また、この不登校の数には保健室登校、別室登校、教育支援センター(適応指導教室)で出席とされている子どもや、学校が特別に出席として認めているフリースクールに在籍している子ども、電話で家にいる子どもの状態を確認することで出席となっている子どもは含まれていません。
 フリースクール プルームでは、小学生の年齢であるとか高校生の年齢であるといったことにこだわらず家にいる子どもや若者たちをサポートします。

子どもが不登校になったときに発する言葉と行動

心が休める家庭が大切

 朝起きられない、学校の話をすると怒る、「学校に行きたいけれど、行かれない」と言う、ほとんど寝ている、頭痛や腹痛を訴える、手洗いを頻繁にする、といった体や心に病気のような症状が出る、などとても不安定な状態になります。
 朝は学校のことを考えると辛くなるので寝てその時間をやり過ごさなくてはなりません。「学校に行きたい」という言葉は「行かなければならない」という気持ちに置き換えられることが多々あります。長い間の疲れがたまっているので1日の大半を寝て過ごしたりします。いろいろな症状が出るので病気だとおもい病院につれていくと、なんでもないと診断されたり、心の病気でしょうと言われたりします。
 心や体に様々な症状や、一見するとちぐはぐな言葉を発するのは辛い月日を長期にわたり過ごしきた結果であり、最後の選択として不登校になったことを親が分かることが必要です。不登校のその子に対して肯定的な雰囲気のもと家庭でゆっくり休むことができればその期間の長さは様々ですが、症状は徐々になくなっていきます。
 また自分から行けない理由はすぐには話すことができません。子供がつらかったことを話ができるようになるまでゆっくりと見守り、時には寄り添い共に同じ時間を過ごしてみてください。子供の生きようとする力がとても弱っている時です。いまあるがままの目の前にいる子供を認めてあげてください。「学校は休んでいいよ」と伝えてください。そして唯一心の休める場所としての家庭にいることを許してあげてください

不登校と勉強

 

子どもの『学び』は学校の勉強だけではありません

 不登校をして勉強をしていないと将来に困るのではないか、といった声はよく聞かれます。しかし、親からの「学校へ行かないならせめて勉強だけでもしてほしい」というプレッシャーのために子どもが勉強をするようになると、子どもにとっては勉強が大きな負担になります。
 特に子どもの気持ちがまだ苦しいときに勉強の話ばかりをもちだすと、子どものことをますます追い詰めてしまうでしょう。

 こういった勉強を心配する親の気持ちの裏には、一度勉強が遅れると取り返しがつかない状態になる、といった不安があるのではないでしょうか。しかし、勉強をしていないと勉強ができなくなってしまう、という目で子どもを見ると子どもは余計に辛くなり、必要以上に自信を失ってしまいます。
 実際には不登校をしていても、後に高校や大学や専門学校に行く子どもは沢山います。その中には二十歳を過ぎてから学生になる人もいて、勉強は若いうちでなくともできることがわかります。
 また、ずっと勉強をしていなかった子どもが自分の目標を持ったとたん、急に勉強をはじめることもあります。現在は高校、大学、専門学校ともに様々な場所がありますので、必ず全ての教科ができなければ入れないわけでもありません。このように学校の勉強の中にもある程度の自由さがあるのです。
 また、子どもはゲームや漫画やテレビやインターネットなどから常に自然な学びを続けています。ゲームで計算が出来るようになり、漫画で漢字が読めるようになったという不登校の子どもは多いのです。
 子どもの学びの形は学校の勉強だけではありません。子どもたちは自分の趣味や遊びの中から大人が考えるよりももっと多くのことを学んでいるようです。不登校の子どもにとっての勉強を考えるときに一番大切なのは、子どもが不安なときに無理をさせないことです。
 不安な中で無理をしても、頭には残らず辛くなるだけです。子ども自身がなにかしらの場面で読み書きそろばんが必要になったときには、その都度に必要な部分を学ぶのでもいいのです。

フリースクールはこんな場所

子どものための居場所

 みなさんは、フリースクールと聞くと、どんな場所をイメージされるでしょうか?
 2008年秋の丹波ナチュラルスクールでの暴行事件が「フリースクール暴行事件」と報道された事などからは、不登校の子どもが通う場所は全てフリースクールといわれている現状を物語ります。また、そのような子どもの人権を無視した強制施設以外にも、行政の主催する教育支援センター(適応指導教室)や通信制高校に併設されたサポート校、塾などの中にもフリースクールを名乗る場所も増えてきています。
 しかし、プルームでは、ただ不登校の子が通えばフリースクールだとは言わず、「子どもの意思と自主性(人権)を第一に考え活動をしている場所」をフリースクールと呼びたいと考えています。また、それらのフリースクールの共通点として、以下のような事があげられるでしょう。

  • 教育指導要領など、既成のカリキュラムに縛られず、子ども中心の学びを行う

  • 年齢によるクラス分はあまりしっかりとはやらず、異年齢の集まりでの活動を行う

  • どのプログラムに参加をするかは本人が決定し、プログラムに参加せず自由に過ごす事もできる

  • 開室日、開室時間の中でなら、どの日、どの時間を利用するかは本人の意志で決める

  • そこに関わる大人たちは「スタッフ」などと呼ばれ、子ども達と対等な立場の人間として過ごす


 また、上で挙げた共通点の他にも、多くのフリースクールでは会員の子どもたちによる「ミーティング」でプログラムを決めたり、フリースクール内でのルールなどについても話し合っています。行政・学校との連携として、小・中・高等学校に在籍する子どもに関してはフリースクールに通った日数が在籍校の出席として認定されたり、フリースクールに通うための定期券を学割定期の値段で購入できる制度もあります。
 保護者会などの取り組みにも力を入れ、フリースクールと家庭との連携に力をいれているところも多く存在します。

 フリースクールの他に、「フリースペース」や「居場所」など様々な名前を名乗り、活動する場所もありますが、それらの場所も子どもの意思と自主性を第一に考えるという大前提は変わりません。中にはプログラム等を設定せずに活動している場もありますが、そのような場でも、子ども達は様々な体験や遊びを通じて、生きるために必要な学びをしています。

 

​フリースクール ネモ 不登校なるほどコラムより出典

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